金利調整審議会(読み)きんりちょうせいしんぎかい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「金利調整審議会」の意味・わかりやすい解説

金利調整審議会
きんりちょうせいしんぎかい

日本銀行政策委員会から諮問された事項について調査審議し、その結果を同委員会に答申するために旧大蔵省に設置されていた審議会。2001年(平成13)1月の中央省庁再編に伴い、金融庁所属の金融審議会に統合され、同審議会金利調整分科会として引き継がれている。

 金利調査審議会は、1947年(昭和22)に施行された臨時金利調整法によって、市中金融機関における金利の最高限度の決定、変更、廃止権限は日本銀行政策委員会が有するものとされているが、その権限の行使に際して、同委員会はかならず金利調整審議会に諮らなければならないこととなっていた。審議会は、委員15名で組織され、大蔵省銀行局長、経済企画庁調整局長、日本銀行副総裁のほか、金融界を代表する者7名、産業界を代表する者3名、学識経験のある者2名の基準で大蔵大臣が任命することとなっていた。会長互選であるが、日本銀行副総裁があたるのが慣例であった。金利調整審議会は規制金利水準のあり方を審議するためのものであるから、金利が完全に自由化されれば当然その任務は終了することとなる。

 なお、金融庁の金融審議会金利調整分科会の委員は、審議会委員は原則として民間人とするという政府方針に沿い、すべて民間の有識者である。

[原 司郎]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「金利調整審議会」の意味・わかりやすい解説

金利調整審議会
きんりちょうせいしんぎかい

日本銀行政策委員会の諮問機関。 1947年に臨時金利調整法に基づいて設立された金利調整委員会が,49年に改称されたもの。金利の最高限度については大蔵大臣が発議権をもち,これに基づいて日本銀行政策委員会が金利調整審議会に諮問し,その答申によって決定することとなっていた。 2001年の中央省庁再編に伴い金融審議会に統合された。

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世界大百科事典(旧版)内の金利調整審議会の言及

【臨時金利調整法】より

…第2次大戦以前は,日本の金融機関は貸出金利についても,預金金利についても相互に協定を結ぶ非競争的な決定の慣行を定着させていた。敗戦後のインフレーションの激化の中で,金利を規制する必要は戦前以上に強くなっていたが,1947年に制定された独占禁止法の自由競争体制の下では,戦前から続く私的な協定による金利決定の方法は,違法行為である〈不当な取引制限〉に該当すると考えられた。そこで銀行,信託会社,保険会社,無尽会社,農林中央金庫,商工組合中央金庫等の金融機関の金利の最高限度を大蔵大臣が公定する方法を取り,従来の協定に代えることとし,制定されたのが本法である。…

※「金利調整審議会」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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