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金笠 きんりゅうKim Saskas

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

金笠
きんりゅう
Kim Saskas

[生]純祖7(1807)
[没]哲宗14(1863).全羅南道,同福
朝鮮,李朝後期の放浪の風刺詩人。名,炳淵 (へいえん) 。字,性深。号,蘭皐 (らんこう) 。笠は俗称。権勢家門である安東金氏の家に生れたが,純祖 11 (1811) 年の洪景来の乱に,宣川防御使の祖父金益淳が反乱軍に属した罪で一家が廃族となった。生涯を一片の簑笠に託して天下を彷徨し客死。大酒奇行に富み,替え玉になって科場 (科挙の行われる試験場) に出入りして壮元 (1番の及第者) を占め,また得意の狂詩狂歌権門,富豪を翻弄した。多くの漢詩のほかに,狂詩,破字詩,国語 (ハングル) 詩,狂歌,狂文があり,作品は奇想天外,当意即妙の風刺と諧謔にあふれている。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

金笠
きんりゅう / キムサッカ
(1807―1863)

朝鮮、李朝(りちょう)の詩人。本名は金炳淵(へいえん)。笠(サッカ)をかぶり全国を流浪したので金(キム)サッカとよばれる。彼の詩は、ときに朝鮮文字を交えたり、音と訓を巧みに使い分けたり、懸詞(かけことば)を駆使したりして、表面的な意味と裏にある真実の意味とを対比させたりした破格の漢詩が多く、内容的には両班(ヤンバン)階級と世俗的権威を嘲笑(ちょうしょう)し、民衆の貧しい生活をユーモア交じりに嘆いた作品が多い。いまでも朝鮮南北の民衆に親しまれ、なかば伝説化されている詩人である。李応洙(りおうしゅ)編『金笠詩集』(1941)がある。[大村益夫]
『今村与志雄著『歴史と文学の諸相』(1976・勁草書房)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典内の金笠の言及

【金サッカ】より

…朝鮮,李朝末期の放浪詩人。笠satkatをかぶり全国を流浪したので金サッカ(金笠)とよばれる。本名は金炳淵。…

【金サッカ】より

…朝鮮,李朝末期の放浪詩人。笠satkatをかぶり全国を流浪したので金サッカ(金笠)とよばれる。本名は金炳淵。…

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