釣鐘屋敷跡(読み)つりがねやしきあと

日本歴史地名大系 「釣鐘屋敷跡」の解説

釣鐘屋敷跡
つりがねやしきあと

[現在地名]東区釣鐘町二丁目

釣鐘町南側御祓おはらい筋より西三軒目にあり、江戸時代鐘楼の釣鐘を一刻ごとに撞いて大坂三郷に時刻を知らせた。寛永一一年(一六三四)七月将軍徳川家光が大坂を訪れた際、大坂町中地子銀が永代免除されることになった。この恩沢を永久に忘れないため、市中に一二時の撞鐘を営むことに決め、釣鐘鋳造・鐘楼普譜などの御救銀として八〇貫を下賜された。下賜銀はもったいないとして釣鐘の中に鋳込んだという。このため鐘は長く公儀の鐘といわれた。鐘銘は将軍ゆかりの大仙だいせん(現南区)竜厳、冶工は堀(野)惣右衛門尉藤原朝臣家次で、寛永一一年秋完成した。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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