鉄砲玉(読み)てっぽうだま

精選版 日本国語大辞典 「鉄砲玉」の意味・読み・例文・類語

てっぽう‐だま テッパウ‥【鉄砲玉】

〘名〙
鉄砲弾丸銃弾。銃丸。
※おあむ物語(1661‐73頃)「みなみな、天守に居て、鉄鉋玉(テッパウダマ)を鋳ました」
② 飴(あめ)を丸くかためたもの。飴玉。
※雑俳・柳多留‐一二(1777)「大やからてっほう玉が十五来る」
使いの者などが行ったまま戻って来ないこと。行ったきりであること。また、その人。返事が来ないこともいう。
※団団珍聞‐六九三号(1889)「期日に至ても沙汰なしサ、〈略〉同じく鉄砲玉(テッパウダマ)とはひどいでへ無(ない)か」
④ 水に沈んだまま浮き上がらないこと。泳ぎができないこと。また、その人。かなづち。
滑稽本八笑人(1820‐49)三下「所が同じく水にかけては鉄砲玉だヨ」
⑤ (鉄砲店の玉の意から) 鉄砲店の遊女鉄砲女郎
※雑俳・柳多留‐五六(1811)「おきゃアがれ鉄砲玉まで廓(さと)訛り」
やくざの組織で、敵対する組織の大物を殺傷するために派遣される格下の者をいう。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「鉄砲玉」の意味・読み・例文・類語

てっぽう‐だま〔テツパウ‐〕【鉄砲玉】

鉄砲の弾丸。銃弾。
黒砂糖などを煮詰めて作った飴玉あめだま
行ったきり帰ってこないこと。また、返事のないこと。「鉄砲玉の使い」
泳ぎができないこと。また、その人。かなづち。
「水にかけては―だよ」〈滑・八笑人・三〉
(俗に)抗争相手の大物を殺すよう差し向けられた者。ヒットマン
[類語]弾丸銃弾砲弾砲丸散弾実弾凶弾流れ弾

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