日本歴史地名大系 「鍵尾遺跡」の解説
鍵尾遺跡
かぎおいせき
弥生時代後期の墳丘墓で、安来平野に面した丘陵の頂上にある。昭和三七年(一九六二)・同三八年と同四五年に発掘調査が行われた。遺跡は一条の溝で区分されたA・Bの二区があり、それぞれの区から多数の長方形の墓壙が掘出されている。A区は地山を一辺一三メートルの方形台状に削り整えた墳丘墓で、墳丘の斜面には小石が貼り敷かれている。墳丘の上面では長方形の墓壙が一六基、互いに接近したり重なりあった状態で発見され、斜面の裾でも二基が掘られている。壙の大きさには大小があり、掘方にも二段掘りと素掘りの二つの型式がある。これらの壙を埋めた土の上からは弥生土器が多量に掘出されているが、それらには弥生後期後葉から終末までの型式が含まれている。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報