菊田一夫(かずお)作の少年少女向き連続ラジオドラマ。1947年(昭和22)7月より3年間、NHKラジオで土・日曜を除く夕方15分間放送。「緑の丘の赤い屋根……」と始まる古関裕而(こせきゆうじ)(1909―1989)作曲のテーマソングは、敗戦直後期の日本の子どもの愛唱歌であった。粗筋は、戦後の混乱のなかにある東京と美しい信州の高原を舞台に、戦災孤児の保護に尽くす加賀美(かがみ)修平と孤児の竜太・黒ちゃん・巌(がん)ちゃんらが、孤児を食い物にする町のボスと戦い、最後に幸福になるというもの。映画化もされ、放送後、少年小説に書き直して出版された。
[上笙一郎]
『『菊田一夫戯曲集1』(1966・演劇出版社)』▽『佐野美津男著『鐘の鳴る丘』(朝日ジャーナル編『小さい巨像』所収・1974・朝日新聞社)』
…《放浪記》(1961)を皮切りに東宝文芸路線を定着させ,《マイ・フェア・レディ》《風と共に去りぬ》などの和製ミュージカルに新風を送る。浮浪児の更生をテーマとしたNHK連続放送劇《鐘の鳴る丘》(1947‐50)のヒットも《君の名は》とともに戦後の大衆文化史上忘れてはならない。【今村 忠純】。…
※「鐘の鳴る丘」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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