長岡輝子(読み)ながおかてるこ

百科事典マイペディア 「長岡輝子」の意味・わかりやすい解説

長岡輝子【ながおかてるこ】

女優演出家。岩手県盛岡市出身。父は英文学者。東洋英和女学院卒業。1928年,文化学院を中退してパリに留学。帰国後の30年,テアトル・コメディを創立。37年,岸田国士文学座入団自作演出する。47年,文学座に在籍のまま,芥川比呂志らと劇団麦の会を結成する。《にごりえ》《東京物語》など映画出演も多く,名脇役として評価された。64年,ウェスカー《大麦入りのチキンスープ》の演出で芸術祭文部大臣賞受賞。70年,紀伊国屋演劇賞受賞。83年,NHK連続テレビ小説《おしん》で存在感のある演技を見せ,一般的にも知られるようになる。2003年,長年続けてきた,宮澤賢治作品の岩手方言での朗読菊池寛賞を受賞する。明晰でエスプリのきいた文学的な舞台づくりを後輩たちにアドバイスし,多くの俳優の尊敬を集めた。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「長岡輝子」の解説

長岡輝子 ながおか-てるこ

1908-2010 昭和-平成時代の女優,演出家。
明治41年1月5日生まれ。昭和3年フランスに留学。6年テアトル・コメディを結成,フランス喜劇を上演。14年文学座にはいり,演出も担当。46年退団。58年NHKテレビドラマ「おしん」に出演。宮沢賢治作品の岩手弁による朗読でも知られた。平成15年菊池寛賞。平成22年10月18日死去。102歳。岩手県出身。東洋英和女学院卒。本名は篠原輝子。

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世界大百科事典(旧版)内の長岡輝子の言及

【新劇】より

…川口一郎(1900‐71),田中千禾夫(ちかお)(1905‐95),小山祐士(ゆうし)(1906‐82),内村直也(1909‐89),森本薫ら,市民生活の哀歓を心理的せりふの躍動で描く劇作家たちの出現である。また同じころ(1931‐36),金杉惇郎・長岡輝子夫妻の主宰する〈テアトル・コメディ〉もフランス近代心理劇を上演し,飯沢匡(1909‐94)らの劇作家を生みだした。 築地座は1936年2月に解散にいたるが,それが母体となって翌37年9月,〈文学座〉が結成される。…

※「長岡輝子」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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