エスプリ(英語表記)〈フランス〉esprit

デジタル大辞泉 「エスプリ」の意味・読み・例文・類語

エスプリ(〈フランス〉esprit)

精神。精髄。
機敏な才気。機知。「エスプリに富んだ作品」
[類語](1メンタル心的内的精神的内面的観念的心理的知能心理精神力メンタリティースピリチュアル精神こころ知情意心神内心心情心魂内面マインドハートスピリット精魂気迫神気気概気力意力意志神経気構え気持ち理念思想気風気性きしょう心性さが/(2機知頓知機転ウイットユーモア精神

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精選版 日本国語大辞典 「エスプリ」の意味・読み・例文・類語

エスプリ

  1. 〘 名詞 〙 ( [フランス語] esprit )
  2. 精神。魂。精髄。
    1. [初出の実例]「この谷間に、活気と自由とのエスプリを雨とお降らせ下さいませ」(出典:朽助のいる谷間(1929)〈井伏鱒二〉)
  3. 才気。機知。ウイット。
    1. [初出の実例]「沙代は小柄な女だったが、精悍なエスプリを持ってゐた」(出典:ダイヴィング(1934)〈舟橋聖一〉三)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「エスプリ」の意味・わかりやすい解説

エスプリ(雑誌)
えすぷり
Esprit

フランスカトリック左派の月刊総合雑誌。1932年10月、技術と資本の優位を拒み、人格の尊厳と人間の連帯を回復する人格主義の祖エマニュエル・ムーニエによって創刊された。ビシー政権下の1941年8月から44年12月まで休刊を余儀なくされた時期を除いて、ムーニエがドニ・ド・ルージュモンらの助力を得て50年まで編集長を務めた。カトリック思想の刷新を目ざし、知的世界で大きな影響力を振るう。ムーニエの死後は、彼の同志アルベール・ベガン、ジャン・マリー・ドムナックJean-Marie Domenach(1922―97)、ポール・ティボーPaul Thibaud、オリビエ・モンジャンOlivier Monginを主幹とし、マルクス主義実存主義にも対話を求める姿勢を一貫させ、最有力誌の一つとなる。1960年代には新批評構造主義などを紹介。しばしば政治・社会・文化全般にわたる特集号を組み、また青年新人に誌面を開放している。年1、2冊の別冊を発刊。発行部数1万強。

岩瀬 孝・小倉孝誠]


エスプリ(機知)
えすぷり
esprit フランス語

精神、機知、才気。本来「肉体」に対しての「精神」の意味であるが、一般にはフランス人特有の機知のことをさすようになった。明晰(めいせき)さこそフランス的であるというように、エスプリも明晰、直截(ちょくせつ)で、間髪を入れず、ときには人の肺腑(はいふ)をえぐるような鋭さをもった表現であり、しかも理知的であることが理想である。エスプリはまた、その矢面にたった人が相手のことばを上回る機知をもってやり返すときに真価が出るのであって、笑って答えなければ愚鈍とみられてしまう。ユーモアが自己を客体化し婉曲(えんきょく)な表現となることが多いのに対して、エスプリはあくまでも主観的で、遠慮や気どりを排斥した明快さに特色がある。

[船戸英夫]

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百科事典マイペディア 「エスプリ」の意味・わかりやすい解説

エスプリ

フランスの月刊政治・文芸評論誌。エゴイズムに孤立しがちな個人主義に対して,社会的・宇宙的な関係における人格を重視するペルソナリスムを提唱したエマニュエル・ムーニエが1932年創刊し,ジョルジュ・イザールやドニ・ド・ルージュモンらと共に1950年まで編集し,知的・精神的な面においてカトリックの思想の刷新に大きな寄与を果たした。第2次大戦中の中断(1941年―1944年)の後,復刊され,アルベール・ベガンやポール・チボーらによって続いた。1980年代からは,社会学や政治学などの新たなアプローチも顕著である。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「エスプリ」の意味・わかりやすい解説

エスプリ
Esprit

フランスの雑誌。 1932年,哲学者 E.ムーニエにより創刊。ムーニエの死後ベガンが引継ぎ,57年以後 J.M.ドムナックが編集。人格主義と進歩的カトリシズムに拠り,実存主義やマルクス主義と対抗,独自のキリスト教社会主義を唱え,第2次世界大戦後の思想界に重要な位置を占める。

エスプリ
esprit

フランス語で「精神」「知性」,特に英語のウィット witにあたる「才気,機知」,すなわち批評精神に富んだ軽妙洒脱で辛辣な言葉を当意即妙に述べる才のこと。その短い言葉は発言者,場所,時間から独立しうる。ラテン語spiritus (空気・風の一吹き,息吹き) を語源とし,「湿気」を語源とするユーモアと違って,乾いた知的な営みで鋭い武器となる。

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デジタル大辞泉プラス 「エスプリ」の解説

エスプリ

イギリスのロータスが1976年から2004年まで製造、販売していた乗用車。2ドアクーペ。イタリアの工業デザイナー、ジウジアーロがデザインを手掛けた。同社を代表するスーパーカーとして知られる。

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世界大百科事典(旧版)内のエスプリの言及

【精神】より

…この点は語義の成立の過程からも明らかで,洋の東西を問わず心は心臓の動きと関連してできあがり,それゆえ身体内部に座をもつ概念である。一方精神は,それにあたる英語のスピリットspirit,フランス語のエスプリesprit,ドイツ語のガイストGeistが〈風〉〈空気〉〈息〉などを意味するラテン語のスピリトゥスspiritus,ギリシア語のプネウマpneumaに由来するように,個人の身体をつらぬき個人の身体を超えて遍在する広がりをもつ。こうした性格から精神は,一方で,人間の心や身体を支配する〈霊〉のイメージを帯び,他方では神や超越者の観念と結びついて倫理的・形而上学的な性格をつよめる。…

※「エスプリ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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