長沢延子(読み)ナガサワ ノブコ

20世紀日本人名事典 「長沢延子」の解説

長沢 延子
ナガサワ ノブコ

昭和期の女性 遺稿集「海」の著者



生年
昭和7(1932)年2月11日

没年
昭和24(1949)年6月1日

出生地
群馬県桐生市

学歴〔年〕
桐生高女

経歴
4歳で母と死別、12歳で伯父養女になった。昭和20年の敗戦を桐生高女2年生で迎えた。幼児期の母の死の体験、敗戦の混乱と虚無感、感受性に富んだ若い頭脳に、小説、詩、哲学思想の書が無二の友となった。しかし、忍耐服従から解き放たれ、すべての価値が崩壊したなかで、純粋な観念が生み出した自己に、自分を合わせようとする自分について行けなかった。24年6月1日17歳の青春を自ら毒をあおることによって散らした。遺稿集「海」(私家版)、手記友よ、私が死んだからとて」が43年に刊行された。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「長沢延子」の解説

長沢延子 ながさわ-のぶこ

1932-1949 昭和時代の女性。
昭和7年2月11日生まれ。4歳のとき母をうしない,伯父にそだてられる。敗戦後,文学書,哲学書を読みふけり,詩人原口統三に傾倒する。青年共産同盟の活動にくわわるが,昭和24年6月1日自殺。18歳。遺稿集に「海」(私家版)がある。群馬県出身。桐生高女卒。手記に「友よ,私が死んだからとて」。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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