開城工業団地(読み)ケソンコウギョウダンチ

デジタル大辞泉 「開城工業団地」の意味・読み・例文・類語

ケソン‐こうぎょうだんち〔‐コウゲフダンチ〕【開城工業団地】

北朝鮮南部、韓国との軍事境界線付近にある経済特別区に設置された両国共同の大規模工業地帯。南北経済協力事業の一つとされ、基本的に北朝鮮が土地・労働力、韓国が資金・技術力を提供する。繊維機械金属・電子部品など百数十社が操業
[補説]2013年2月に北朝鮮が地下核実験を強行したことから両国関係が悪化し、同年4月から9月半ばまで操業停止に陥った。2016年2月、北朝鮮による核実験や長距離核ミサイル発射実験を受けて、再び操業停止。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「開城工業団地」の意味・わかりやすい解説

開城工業団地
けそんこうぎょうだんち

北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)の特殊経済地帯の一つである開城工業地区に設けられた工業団地。北朝鮮国防委員長金正日(キムジョンイル)(当時)と韓国大統領金大中(キムデジュン)(当時)との合意に基づき、南北軍事境界線に近い開城郊外に韓国企業向け工業団地として造成された。2004年に操業を開始して以来、南北経済協力の象徴とされた。2007年12月から2008年11月にかけては、開城への韓国人観光客の受け入れも行われていた。しかし、2016年2月、北朝鮮による核ミサイル開発の資金源を断つべく、韓国の朴槿恵(パククネ)政権により操業が中断された。2018年9月の第5回南北首脳会談で操業再開が合意されたものの、その後の米朝関係の停滞、南北関係の悪化などを受け、同地に設置された南北共同連絡事務所は2020年6月、北朝鮮によって爆破された。

[礒﨑敦仁 2020年10月16日]

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