関宿城下(読み)せきやどじようか

日本歴史地名大系 「関宿城下」の解説

関宿城下
せきやどじようか

関宿城の北東から南方に築かれた近世城下町。現町域の北部を占め、利根川江戸川に挟まれる。日光東往還がほぼ南北に通り、江戸川には河岸場が置かれた。「利根川図志」には「万民鼓腹し市廱繁栄なり、東に台町、南に江戸町・内河岸・元町・内町あり」とみえ、また河岸場の賑いを記している。広義の当城下は現関宿町域ばかりではなく、江戸川対岸のむこう河岸・向下河岸(現埼玉県幸手市)や利根川対岸のさかい(現茨城県境町)までを含んでいた。当城下は中世簗田氏・北条氏の関宿城下に発達した宿・町場を継承するものと考えられる。このうち網代あじろ宿(郷)はのちの江戸えど町、だい宿は台町の母胎となったと考えられる。文禄二年(一五九三)六月二三日関宿城主松平(久松)康元は商人の会田大膳に網代において一〇石を宛行っている(「松平康元知行宛行状」会田文書)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の関宿城下の言及

【関宿[町]】より

…利根川と江戸川の分流点にあり,町域は両河川にはさまれている。中心集落の関宿は江戸時代には関宿城下の侍屋敷町であった。町人町は江戸川対岸の埼玉県幸手町西関宿や利根川対岸の茨城県境町であったが,県域決定の際,両川を境界に区画されたので城下町は千葉・埼玉・茨城3県に分断された。…

※「関宿城下」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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