関宿関(読み)せきやどのせき

百科事典マイペディア 「関宿関」の意味・わかりやすい解説

関宿関【せきやどのせき】

下総国関宿城下(現千葉県関宿町)の江戸川に置かれた関所。1616年に関宿河岸利根川江戸川筋16の定船場の一つとされ,1631年に関所が設置された。関の管理は関宿藩に委任され,番頭2人,平番6−8人,門番2人のほか,足軽若干が配されていたという。関所は内(うち)河岸・向(むこう)河岸・向下(むこうしも)の3河岸からなる関宿河岸から問屋を40名選び,川船の積み荷や旅人改めを請け負わせた。北関東と江戸を往来する船を改め,契約している船から手数料を取って通船手形を出す仕組みであった。1869年に廃された。

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改訂新版 世界大百科事典 「関宿関」の意味・わかりやすい解説

関宿関 (せきやどのせき)

江戸時代,下総国関宿城下の利根川と江戸川との分流点に置かれた川の関所。陸上通行人ばかりでなく江戸川を上下する川船も改めた。1616年(元和2)に関東16定船場の一つとして始まり,31年(寛永8)に関所となる。管理は関宿藩に委任され,藩士が派遣されて在番した。川船は関宿三河岸の問屋に宿付をして手形を受け,これを関所に示して通船した。関所の前後に〈札場〉があり,改めの順番を定める番取札を発行した。1869年(明治2)廃止となる。
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