日本大百科全書(ニッポニカ) 「防犯灯」の意味・わかりやすい解説
防犯灯
ぼうはんとう
防犯を目的に住宅地区の道路や街路に施設される照明器具。使用光源として、20ワットの蛍光ランプを組み込んだものと、100ワット程度の水銀ランプを組み込んだものがある。灯高は4~5メートルで、照明器具は電柱などを利用して取り付けられ、40~50メートルの間隔で設置される。防犯灯による照度は路面上で数ルクスにすぎないが、道路の照明を設置したことにより、ひったくりや押込み強盗、傷害、殺人事件が減少した事実もあり、照明による犯罪防止効果は無視できない。防犯灯は風雨に耐えるように透光性の樹脂またはガラス製のグローブと灯体で構成される。灯体には光電素子を内蔵した自動点滅器を設けたものもある。この形式のものは、周囲の明るさを自動的に検知し、夕方になると点灯して朝になると消灯するように、光電素子の動作特性が設定されている。
[高橋貞雄]