防霧林(読み)ぼうむりん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「防霧林」の意味・わかりやすい解説

防霧林
ぼうむりん

海霧の多い海岸地方でその侵入を防ぐため設けられた林。夏季北海道東岸では海霧が発生,北東風に流されて内陸へ侵入し,日射が妨げられて気温が上昇せず,農作物収量が減少することから,多数の樹木を海岸地方に植えて霧の害を防いでいる。消霧効果としては,霧そのものを捕捉するほか,霧を拡散したり気温を高めたりすることが考えられる。海霧の拡散は比較的低いところに現れる霧に対して効果があり,温度を高める効果は内陸に発生する放射霧夜間放射冷却で地表付近の空気が冷やされて発生する霧)の拡散に効果がある。

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百科事典マイペディア 「防霧林」の意味・わかりやすい解説

防霧林【ぼうむりん】

耕地を海霧から守る森林保安林に指定されるものもある。森林により霧をとらえて沈降させ,さらに地温を伝えて蒸発させるなどして,海霧による過湿,気温低下,日光遮断など作物への悪影響を防ぐ。日本では北海道の根室,釧路付近に多い。樹種はおもにダケカンバ,ミズナラ,カラマツなど。

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世界大百科事典(旧版)内の防霧林の言及

【霧】より

…とくに飛行場では吸湿剤を散布したり,石油を燃やしたり,ドライアイスやヨウ化銀をまいて霧粒を雨滴とする方法などで人工消霧が試みられ,成功した例もある。北海道の釧路,根室地方のように海霧が上陸してくる地域では,海岸近くに防霧林を造成し,移流してくる霧粒を捕捉して霧を薄める方法がとられている。【若浜 五郎】。…

※「防霧林」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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