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保安林 ほあんりん

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

保安林
ほあんりん

危害の防止,産業の保護など公共の目的を達成するために,森林法に基づいて特別の制限を課せられた森林。 (1) 国土荒廃予防のための水源涵養林,(2) 土砂流出の防備林,(3) 土砂崩壊の防備林,(4) 砂丘の移動などを防ぐ飛砂防備林,(5) 風水害,潮害 (海岸の潮風,潮水の害) ,干害,雪害,霧害 (海霧の発生などによる被害) の防備林,(6) なだれまたは落石の危険防止林,(7) 火災防備林 (防火林) ,(8) 河川や湖沼の魚族保護および繁殖を助ける魚つき林,(9) 航行目標林,(10) 防塵,防煙などに役立て公衆の保健の向上に資するための保護林,(11) 名所または旧跡の風致保存林,の別がある (25条) 。

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デジタル大辞泉の解説

ほあん‐りん【保安林】

森林法に基づき、水源の涵養(かんよう)、砂防、風水害などの予防、魚付き、風致保存などのために保存の必要があるとして農林水産大臣および知事が指定した森林。

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百科事典マイペディアの解説

保安林【ほあんりん】

災害防止や公共の福祉増進,他産業の保護などを目的として,森林法により,伐採,使用を制限,禁止されている森林。日本では水源涵養(かんよう)林,土砂流出防備林,飛砂防備林(防砂林),防風林防雪林潮害防備林防潮林),魚付(うおつき)林風致林など17種あり,総面積は国有林と民有林を合わせて863.3万ha(1997)。
→関連項目森林防霧林

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林業関連用語の解説

保安林

保安林とは、森林の公益的機能の発揮を目的として、国が特定の制限(伐採の制限等)を課した森林のことをいう。
保安林は森林法に基づく指定の目的により17種類に分類される。

出典|農林水産省
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農林水産関係用語集の解説

保安林

水源のかん養等特定の公共目的を達成するため、農林水産大臣又は都道府県知事によって指定される森林。伐採や土地の形質の変更が制限される。

出典|農林水産省
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かんたん不動産用語解説の解説

保安林

森林法に基づき農林水産大臣が保安林として指定した土地。不動産登記簿上の地目の一つ。

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世界大百科事典 第2版の解説

ほあんりん【保安林】

森林の各種の機能に期待して,公共に対する諸危害の防止,福祉の増進,あるいは他産業の保護を目的として,特定の場所に維持することを指定された森林。森林は一般に広がりをもって,地表高くから地表までの空間をおおい,さらに地下深くまで根を張っているので,風を防ぎ,気温をやわらげ,地表浸食や崩壊を防ぎ,つねに水を供給するなど,生活環境を保全する機能がある。このため,日本では,1897年に森林法を制定するにあたって,保安林制度を重要な柱としてとり入れている。

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大辞林 第三版の解説

ほあんりん【保安林】

森林法に基づき、一定の公益目的のために農林水産大臣が指定する森林。水源の涵養かんよう、土砂流出の防備、風水害の防備、魚付き、風致保存などの目的による。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

保安林
ほあんりん

森林のもつ公益的機能をもっともよく発揮させるために、とくに必要な森林を森林法に基づき指定し、その森林の適切な保全と森林施業を確保する森林。保安林はその沿革が古く、すでに藩制時代に水源涵養(かんよう)や防潮、防風のために保護を命ぜられたり、伐採を禁止あるいは制限される森林が各地にみられた。1882年(明治15)明治政府は太政官(だじょうかん)布達で国土保全の目的のため禁伐林制度を設け、1897年の森林法によって保安林制度を確立した。1951年(昭和26)制定の現行森林法でもこの保安林制度を継承している。[笠原義人]

保安林の行為制限

保安林において、立木の伐採、土石や樹根の採掘開墾など、土地の形質を変更する場合には、あらかじめ都道府県知事の許可を受けなければならない。また、保安林の立木を伐採した場合、その森林所有者は定められている植栽の方法、期間、樹種などに従い、伐採跡地に植えなければならない。違反した場合には罰則の適用がある。知事は保安林機能の維持、回復を図るため、行為の中止、または造林、復旧、あるいは植栽すべき旨を命令することができる。[笠原義人]

保安林の種類

現行森林法は、保安林に指定しうる場合を以下のように制限的に列挙している。水源涵養保安林(森林の理水機能を高度に保ち、河川の流量を調節する)、土砂流出防備保安林(土砂の流出、侵食を防止する)、土砂崩壊防備保安林(地盤不安定な急斜地の崩壊を防止する)、飛砂防備保安林(飛砂を防止する)、防風保安林(強風による災害を防止する)、水害防備保安林(水勢を弱め、河川の氾濫(はんらん)を防止する)、潮害防備保安林(津波や高潮による被害を防止する)、干害防備保安林(農地の乾燥や灌漑(かんがい)用溜池(ためいけ)などの水がれを防止する)、防雪保安林(吹雪(ふぶき)を防止する)、防霧保安林(海から霧が流れ込むのを防止する)、なだれ防止保安林(なだれの発生を防止する)、落石防止保安林(落石による危険を防止する)、防火保安林(火災の延焼を防止する)、魚つき保安林(魚の生息や繁殖を助長する)、航行目標保安林(船の航行の目標とする)、保健保安林(森林レクリエーションなどにより国民の健康に寄与する)、風致保安林(名所や旧跡の景色などを保存する)の17種である。保安林はわが国森林面積の35%、869万ヘクタール(1998)に達し、うち水源涵養保安林が72%、土砂流出防備保安林が24%を占める。ほかの保安林は比較的に局所的な利益、危険予防を目的とする。[笠原義人]

保安林の指定・解除

保安林の指定・解除の権限者は、国有林についてと民有林のうち広域的で基幹的な水源涵養・土砂流出防備・土砂崩壊防備保安林は農林水産大臣、その他の保安林は都道府県知事である。保安林に指定編入されると財産権の行使が制限されるので、指定は公正に行われるよう配慮されており、また指定理由が消滅したときは遅滞なく解除される。保安林指定により、森林所有者が通常受ける損失に対して、国はその損失補償を行う。[笠原義人]

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世界大百科事典内の保安林の言及

【御林】より

…私藩の領主によって制定された御林は,御本山(弘前藩),御直山(秋田藩),御山(盛岡,福岡,小倉,臼杵,熊本の諸藩),御建山(水戸,福井,鳥取,松江,広島,山口,人吉の諸藩),御留山(名古屋,和歌山,高知の諸藩)などといい,あえて御林の称呼を避けるのが普通であった。これら公私の御林は,その制定目的によって(1)林業的な御林と(2)保安林的な御林とに大別される。(1)の御林は17世紀初頭からの略奪的な濫伐によって荒廃に傾いた山林の中での美林,または比較的に林相のすぐれた山林区域を限って一方的に設定されるものである。…

【森林】より

…このような目的で森林を取り扱う営為が(2)の内容である。保安林の適正配備,林地開発の規制,緑地の保存などがこのための森林保全の具体的行為となる。(3)の森林保全とは,森林がつくりだす緑や大気や良好な自然環境を,人間の心身の健全な発達に役だてることを目的として,森林を取り扱う営為が内容となる。…

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