阿刀明神社(読み)あとみようじんしや

日本歴史地名大系 「阿刀明神社」の解説

阿刀明神社
あとみようじんしや

[現在地名]安佐南区沼田町阿戸

吉山よしやま川の東岸に広がる平地高台に鎮座し、可美真手命・天照皇大神・宗像三女神を祀る。旧村社。「安芸国神名帳」に佐東さとう郡二〇前の一つとしてみえる阿刀明神に比定され、伝えによると仁寿二年(八五二)建立という。天承元年(一一三一)この地へ来住した大中権之介正房が一族の守神として八幡山八幡宮勧請、近江から同行した佐々木七郎大夫興宗に、阿刀明神社と八幡宮の祭事を併せ行わせたという。宝暦一一年(一七六一)八幡宮を明神社の地に移し、両殿を並べ、天保八年(一八三七)には両神を併祀する神殿を建てたと伝える。「芸藩通志」は八幡宮は康治二年(一一四三)大中臣正房が建て、弁財天は久寿元年(一一五四)勧請と記し、神名帳の「阿刀明神」は両者のうちとする。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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