口開け(読み)クチアケ

デジタル大辞泉 「口開け」の意味・読み・例文・類語

くち‐あけ【口開け/口明け】

物の口を開けること。また、その時。くちきり。
物事商売などのしはじめ。かわきり。
旦那、―です、なかまでお安く参りましょう」〈荷風・祝盃〉
山・磯などの共有地の利用の禁を解くこと。また、その日。
能で、1曲が狂言方せりふで始まること。狂言口開きょうげんくちあけ
上方かみがたで、歌舞伎続き狂言序幕のこと。
[類語]始め皮切り序の口しょっぱなはな第一歩第一声開口一番まず最初第一一次原初嚆矢こうし手始め事始め優先一番いの一番真っ先先立ち先頭当初初期初頭始期早期劈頭へきとう冒頭出出でだ滑り出し初手出端ではなはし取っ付きあたまのっけスタート取り敢えず差し当たりひとまず当座始まり始まる始めるトップ初発発端端緒濫觴らんしょう権輿けんよ起こりとば口取っ掛かり開始幕開き開幕立ち上がり口切り最優先何をおいても何はさておき何はともあれ口火を切る先ず以て

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精選版 日本国語大辞典 「口開け」の意味・読み・例文・類語

くち‐あけ【口開・口明】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 物の口を開くこと。また、その時。
    1. [初出の実例]「旧冬十一月末に一石つくみその口開、一段味勝れて吉し」(出典:多聞院日記‐天正四年(1576)七月二三日)
  3. 物事のしはじめ。かわきり。くちびらき。
    1. [初出の実例]「女郎ぐるひの口あけに旦那へは虎我々も」(出典:浄瑠璃・曾我五人兄弟(1699頃)一)
  4. 能楽で、ワキなどがいちばんはじめに出て発言する詞。また、その役者開口(かいこう)
  5. 京阪で、通し狂言の最初の幕。
    1. [初出の実例]「金毘羅利生 幼稚子敵討 口明」(出典:歌舞伎・幼稚子敵討(1753)口明)

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