最新 地学事典 「阿蘇火山」の解説
あそかざん
阿蘇火山
Aso volcano
九州中部にある活火山で,火砕流台地に囲まれたカルデラとその内側の中央火口丘群とからなる。気象庁の活火山名は阿蘇山。基盤はカルデラ壁に露出する80万~40万年前の安山岩・玄武岩・流紋岩など。27万~9万年前の阿蘇火砕流群の噴出によってカルデラが形成された。中央火口丘はほぼ東西に配列する十数個の成層火山・火砕丘・溶岩流・溶岩ドームなどであり,岩石は玄武岩(杵島岳・往生岳・米塚など)・玄武岩~安山岩(中岳・高岳・楢尾岳など)・安山岩(烏帽子岳・御竈門山など)・デイサイト(草千里ヶ浜など)・流紋岩(京大火山研究所の丘)の広い組成幅がある。これらの火山は約7万年前以降に形成されたものだが,地下にはAso-4以後に噴出した,より多量の火山岩が埋没しているらしい。阿蘇火山の唯一の活動火口である中岳火口には9世紀以来ほぼ継続して活動記録があり,2000年以降は数年おきに噴火を繰り返しており,2014年11月~2015年5月にかけて断続的にストロンボリ式噴火が発生した。玄武岩質安山岩の黒色砂状の本質火山灰(「よな」と呼ばれる)をおもに放出する灰噴火が特徴的で,赤熱岩塊の放出やマグマ水蒸気爆発を伴う。カルデラ内西部に戸下・栃木・垂玉・地獄・湯谷・内牧などの温泉がある。気象庁・京大の火山観測・研究施設がある。
執筆者:小野 晃司・竹下 欣宏
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

