朝日日本歴史人物事典 「阿観」の解説
阿観
生年:保延2(1136)
平安後期の真言宗の僧。和泉国(大阪府)大鳥郡の大和貞平の子。幼いときから高野山に登り密教を学ぶが,明神の夢告を受けたことから河内天野山に入る。その後,後白河法皇の命を受けて,廃寺を河内天野山金剛寺と号する。承安2(1172)年には高倉天皇を迎えて御影供を行い,治承2(1178)年には金堂を建立,養和1(1181)年には伝法会を行うなど天野山金剛寺中興の祖といわれる。永万1(1165)年には六観音像を描き絵画の才にも優れていた。<参考文献>『金剛寺文書』(『大日本古文書』家わけ文書第7)
(井野上眞弓)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報