陥入(読み)カンニュウ

デジタル大辞泉 「陥入」の意味・読み・例文・類語

かん‐にゅう〔‐ニフ〕【陥入】

[名](スル)
落ち込むこと。くぼむこと。「路面陥入する」
初期発生の段階で、上皮細胞層の一部内側へ向かってくぼみこむ現象嚢胚のうはい形成の際に、胞胚期の細胞の一部が内部に折り込まれ、原腸が生じるときなどにみられる。

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精選版 日本国語大辞典 「陥入」の意味・読み・例文・類語

かん‐にゅう‥ニフ【陥入】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ある物が他の物の中におちいること。はまりこむこと。また、くぼむこと。陥没。くぼみ。
    1. [初出の実例]「古代の遺礎は、地下に陥りて、殆と十尺の下にあり、此他にも当時の遺屋の存せるもの、みな地下に陥入せさるはなし」(出典:米欧回覧実記(1877)〈久米邦武〉四)
    2. [その他の文献]〔春秋左伝‐成公二年〕
  3. 動物の嚢胚(のうはい)形成の過程で、胞胚の片側の外表部分が内側にくぼんでいく現象。その結果できるくぼみの部分を原腸、くぼみの開口部分を原口といい、また内外二層となった細胞層をそれぞれ内胚葉、外胚葉という。

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普及版 字通 「陥入」の読み・字形・画数・意味

【陥入】かんにゆう

陥没する。

字通「陥」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の陥入の言及

【形態形成】より

…このような変化がしだいに植物極側におよんでいく。一般に陥入invaginationと呼ばれるこのような過程は,胚葉形成をおこなうすべての動物胚に普遍的であるといってよい。胚葉形成は動物個体の発生過程での最初の形態形成運動といわれるが,これが成立するには細胞の接着性や運動性の発現がきわめて重要な要素をなしている。…

※「陥入」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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