国指定史跡ガイド 「陸奥上街道」の解説
むつかみかいどう【陸奥上街道】
宮城県大崎市岩出山にある街道遺跡。平泉(岩手県)に向かうかつての幹線道路で、奥州街道のうち、一関(いちのせき)(岩手県一関市)から栗駒(宮城県栗原市)、真坂(栗原市)を通って岩出山(大崎市)に出て出羽街道にいたる部分。源頼朝が奥州藤原氏を討伐するために向かった道であり、松尾芭蕉が平泉からの帰途たどった道として有名。1773年(安永2)の『風土記御用書出』で「上街道」として記述があり、また、古くは「松山道」と呼ばれた。1990年(平成2)に、国道・県道になっている部分を除く、岩出山町内の2.8kmが国の史跡として指定された。この部分には一里塚が2ヵ所残っており、街道の両側約1500mにわたり松並木が続いている「千本松長根」と呼ばれた部分を含む。かつての街道の面影をよく残し、廃道となっている部分については旧道が復元され、道標・標識や説明板が整備されている。JR陸羽東線上野目駅から徒歩約50分。