陸淳(読み)りくじゅん(その他表記)Lù Chún

改訂新版 世界大百科事典 「陸淳」の意味・わかりやすい解説

陸淳 (りくじゅん)
Lù Chún
生没年:?-806

中国,唐代の儒者。字は伯沖。呉郡(江蘇省呉県)の人。若いとき11年間ひたすら啖助(たんじよ)に師事し,啖助を訪れた趙匡(ちようきよう)とも知りあった。啖助の没後,淮南(わいなん)節度使の陳少游の推薦で奉礼郎となり,左拾遺をへて,信州刺史,台州刺史を歴任した。のち給事中に進み,太子侍読となって病没した。啖助の遺稿を整理し,その学説を補訂して,《春秋集伝纂例》《春秋微旨》《春秋集伝弁疑》を編集した。《春秋》の大義を新しい観点から,幼童にも理解できるように平易に述べた功績は高く評価される。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「陸淳」の意味・わかりやすい解説

陸淳
りくじゅん
Lu Chun

[生]開元28(740)
[没]永貞1(805)
中国,唐の学者。字は伯沖。趙匡とともに,唐のすぐれた春秋学者啖助 (たんじょ) の弟子で,彼らの学説を整理補足して『春秋集伝纂例』『春秋微旨』『春秋集伝弁疑』を著わした。従来の『左氏伝』『公羊伝』『穀梁伝』の3伝による解釈,なかでも『左氏伝』のそれを退け,自己の創見によって『春秋』本来の意味を明らかにしようとし,宋代の春秋学に多大の影響を与えた。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の陸淳の言及

【啖助】より

…この伝統的な注釈を捨てて独自の判断で新しい解釈を下すという態度は,中唐以後の新しい儒学研究を指導するものとなった。彼の遺説は陸淳の《春秋啖趙集伝纂例》にとどめられている。【稲葉 一郎】。…

※「陸淳」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

ベートーベンの「第九」

「歓喜の歌」の合唱で知られ、聴力をほぼ失ったベートーベンが晩年に完成させた最後の交響曲。第4楽章にある合唱は人生の苦悩と喜び、全人類の兄弟愛をたたえたシラーの詩が基で欧州連合(EU)の歌にも指定され...

ベートーベンの「第九」の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android