隆禅寺(読み)りゆうぜんじ

日本歴史地名大系 「隆禅寺」の解説

隆禅寺
りゆうぜんじ

[現在地名]阿南市宝田町

桑野くわの川左岸の平坦部にある。金栗山瑞雲ずいうん院と号し、高野山真言宗本尊は愛染明王。寺地の東方一帯から白鳳期の古瓦が多数出土していることから、古代には大規模な伽藍が存在していたことが確認できる。寺伝によると、嘉保二年(一〇九五)後白河上皇勅願によって京都東寺の長範が中興し、また建久年間(一一九〇―九九)に源頼朝の寄進によって再興されている。鎌倉時代には京都仁和寺領竹原たけはら庄領家職を当寺がもち経営に当たったが、南北朝内乱期には武家の侵略をうけて寺勢は衰えた。しかし戦国期には三好氏の被官佐藤伊賀守が当寺の復興に努力したという。戦国末期には戦乱によって焼失、天正一三年(一五八五)蜂須賀家政が入部すると同家によって復興された。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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