デジタル大辞泉 「隠所」の意味・読み・例文・類語 いん‐じょ【隠所】 1 隠れる所。隠れ住む所。〈日葡〉2 からだの隠すべき部分。「衣服等をきかゆる時、坐臥する時にも、放逸に―なんどをも蔵かくさず」〈正法眼蔵随聞記・三〉3 便所。雪隠せっちん。厠かわや。「興福寺の東門院にありける児ちご、―にゐたりけるに」〈沙石集・八〉 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「隠所」の意味・読み・例文・類語 いん‐じょ【隠所・隠処】 〘 名詞 〙① ( 「いんしょ」とも ) ( ━する ) 隠れる所。世を避けて隠れ住む場所。また、世を避けて隠れ住むこと。[初出の実例]「後宮盛レ色、賢者隠処(インショス)」(出典:文明本節用集(室町中))「竹は面白き者也。隠処なんどに、栽えいでかなわぬ也」(出典:中華若木詩抄(1520頃)下)[その他の文献]〔賈島‐山中道士詩〕② 便所の古称。かわや。雪隠。閑所。[初出の実例]「近比興福寺の東門院に児あり。隠所(インジョ)に居たりけるに」(出典:米沢本沙石集(1283)八) かくし‐どころ【隠所】 〘 名詞 〙① 秘密の場所。物の隠し場所。隠し場。[初出の実例]「くまには 隈、かくし所と云也」(出典:一滴集(1440)ははき木)「寒月君は之に勢を得て隠し所を説明する」(出典:吾輩は猫である(1905‐06)〈夏目漱石〉一一)② 男女の陰部。[初出の実例]「はだかなる法師のかくし所も打出して」(出典:今物語(1239頃)) かくれ‐どころ【隠所】 〘 名詞 〙① 人目を避けて隠れひそむ所。かくれが。[初出の実例]「かくれどころもなき木のうつほに」(出典:宇津保物語(970‐999頃)俊蔭)② 陰部。かくしどころ。[初出の実例]「合子と云ふ物をもちて水をうけて、かくれ所をなん洗ひ給ふ事」(出典:撰集抄(1250頃)三) かくろえ‐どころかくろへ‥【隠所】 〘 名詞 〙 人に知られないように忍んでいる場所。[初出の実例]「上のわたらせ給ふ程、女君の御かくろへ所に、御上筵(うはむしろ)敷きなどしたるに」(出典:夜の寝覚(1045‐68頃)四) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例