隠所(読み)かくしどころ

精選版 日本国語大辞典 「隠所」の意味・読み・例文・類語

かくし‐どころ【隠所】

〘名〙
① 秘密の場所。物の隠し場所。隠し場。
※一滴集(1440)ははき木「くまには 隈、かくし所と云也」
吾輩は猫である(1905‐06)〈夏目漱石一一「寒月君は之に勢を得て隠し所を説明する」
男女陰部
※今物語(1239頃)「はだかなる法師のかくし所も打出して」

かくれ‐どころ【隠所】

〘名〙
人目を避けて隠れひそむ所。かくれが。
※宇津保(970‐999頃)俊蔭「かくれどころもなき木のうつほに」
② 陰部。かくしどころ。
撰集抄(1250頃)三「合子と云ふ物をもちて水をうけて、かくれ所をなん洗ひ給ふ事」

かくろえ‐どころ かくろへ‥【隠所】

〘名〙 人に知られないように忍んでいる場所。
※夜の寝覚(1045‐68頃)四「上のわたらせ給ふ程、女君の御かくろへ所に、御上筵(うはむしろ)敷きなどしたるに」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「隠所」の意味・読み・例文・類語

いん‐じょ【隠所】

隠れる所。隠れ住む所。〈日葡
からだの隠すべき部分
衣服等をきかゆる時、坐臥する時にも、放逸に―なんどをもかくさず」〈正法眼蔵随聞記・三〉
便所雪隠せっちんかわや
興福寺東門院にありけるちご、―にゐたりけるに」〈沙石集・八〉

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