コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

沙石集 しゃせきしゅう

8件 の用語解説(沙石集の意味・用語解説を検索)

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

沙石集
しゃせきしゅう

鎌倉時代の仏教説話集。「させきしゅう」とも読む。無住一円著。 10巻。弘安2 (1279) 年起筆,同6年脱稿。その後もたびたび加筆訂正を行なったので,広略種々の伝本がある。著者は臨済宗東福寺派の高僧で,耳に近い説話によって教理を説き,人々を仏道におもむかせることを目的とした。

本文は出典元の記述の一部を掲載しています。

出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
Copyright (c) 2014 Britannica Japan Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの記述は執筆時点でのもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

デジタル大辞泉の解説

させきしゅう〔サセキシフ〕【沙石集】

しゃせきしゅう(沙石集)

しゃせきしゅう〔シヤセキシフ〕【沙石集】

鎌倉時代の仏教説話集。10巻。無住一円著。弘安6年(1283)成立。霊験談・高僧伝のほか、文芸談・笑話も収録。仏教思想史上だけでなく、国文学上も貴重。させきしゅう。

出典|小学館 この辞書の凡例を見る
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:曽根脩
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

百科事典マイペディアの解説

沙石集【しゃせきしゅう】

鎌倉中期の仏教説話集。10巻。無住(むじゅう)編。1279年―1283年の間執筆(のち加筆補訂),仏教に帰依(きえ)させる方便として約130編の説話を集めたもの。
→関連項目有徳人西行説話文学雑談集二人妻法語ぼろぼろ和歌陀羅尼

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. ご提供する『百科事典マイペディア』は2010年5月に編集・制作したものです

世界大百科事典 第2版の解説

しゃせきしゅう【沙石集】

説話集。無住編。10巻。1279年(弘安2)に起筆し,83年に脱稿したが,その後も編者自身の手で数次にわたる加筆補訂が施された。序文によると,狂言綺語(きようげんきご)も仏果菩提の縁とする平安時代以来の伝統的文学観に立ち,卑近な世俗的話題を通して深遠な仏教の教義を平易に説き明かそうとしたもので,書名も,沙(いさご)を集めて金(こがね)を求め,石を拾って玉を磨く世人の所行になぞらえたものという。特定の編目も立てず,一見雑纂的であるが,巻一に神仏習合思想に基づく神明説話を収め,巻二に諸仏菩薩の霊験利益談を一括するなど,構成的にも配慮の跡がうかがわれ,説話の収録にも類纂的傾向が認められる。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. 収録データは1998年10月に編集製作されたものです。それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。また、本文中の図・表・イラストはご提供しておりません。

大辞林 第三版の解説

させきしゅう【沙石集】

しゃせきしゅう【沙石集】

仏教説話集。一〇巻。無住著。1283年成立、のち加筆。庶民を仏道に導くために記され、無住自身の見聞譚も多い。滑稽譚・笑話も含まれ、後世の狂言・落語などに影響。させきしゅう。

出典|三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

沙石集
しゃせきしゅう

鎌倉時代の仏教説話集。「させきしゅう」とも読む。10巻。無住(むじゅう)の著。1283年(弘安6)成立。説話を方便として読者を正しい仏教理解へ導こうとするもの。初稿本成立後も数次にわたって添削を加えているため、諸本により内容に若干の差があるが、おおむね、本地垂迹(ほんじすいじゃく)説話、諸仏霊験説話、因果応報説話、遁世(とんせい)往生説話など仏教説話集らしい説話を集めている。それらの間に、滑稽譚(こっけいたん)や艶笑譚(えんしょうたん)などが混在し、ときとして、著者の意図を超えておもしろくなりすぎたためか、添削を経てしだいに堅苦しい話中心の説話集へと変質していった趣(おもむき)がある。同時代の地方(とりわけ東国)の民衆の生活や心情を反映した世間話や、後世、噺本(はなしぼん)の源流のようにもみられた笑話を収録している点に、最大の意義と魅力があるといえる。[小島孝之]
『渡辺綱也校注『日本古典文学大系85 沙石集』(1966・岩波書店)』

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ) この辞書の凡例を見る
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

世界大百科事典内の沙石集の言及

【伊勢信仰】より

…ことに東海・関東の地方には御師の勧誘により神領としての御厨(みくりや)・御薗(園)(みその)を寄進する豪族・武将が多かったが,なかで相馬御厨を寄進した源義宗の,〈これ大日本国は惣じて皇太神宮・豊受宮の御領たるの故なり〉という言葉は,よく信仰内容を物語っている。仏教との関係についても,もとは神宮が仏事関係を固く忌むとされたにもかかわらず,鎌倉時代には東大寺勧進職の重源,法相宗の貞慶,真言律宗の叡尊,時宗(じしゆう)の他阿など有力僧侶の参宮が相つぎ,真言宗の通海は,仏教への帰依が神宮崇敬と矛盾しないことを説き,禅密兼修の無住は《沙石集》において,〈外には仏法を憂き事にし,内には深く三宝を守り給ふ事にて御座(おわし)ます故に,我国の仏法偏(ひとえ)に太神宮の御守護によれり〉と述べている。室町時代になると足利義満・義持・義教など将軍自身の参宮が相つぎ,各地に伊勢講(神明講)の発達も見られて,一般民衆にまで参宮の風は広まった。…

【言霊】より

…《古今集》の仮名序に,歌は天地(あめつち)を動かし,鬼神をもあわれと思わせる,とのべているのも,藤原俊成が住吉神社に参籠して,〈和歌仏道二なし〉という神示を得たと伝えられるのも,いずれも和歌における言霊の信仰のあらわれである。無住は《沙石集》において,和歌の徳を陀羅尼としてのべている。そのような考えは,江戸時代の契沖にうけつがれている。…

【無住】より

…1262年(弘長2)尾張の長母(ちようぼ)寺(名古屋市東区)に止住し,住職となって半世紀を送り,兼持した伊勢桑名の蓮華寺で没した。長母寺定住後は,寺院経営のかたわら,尾張・伊勢地方の教化と啓蒙的著述に専念したようで,59歳のときに成った《沙石集》10巻を第1作として,《聖財(しようざい)集》3巻,《妻鏡》1巻,《雑談(ぞうたん)集》10巻を編した。なかでも《沙石集》は説教体仏教説話集の典型として,世間話や笑話を駆使した巧みな講述は近世話芸の範とされ,その仏教的評論・随想に対する評価も近来とみに高まっている。…

※「沙石集」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. 収録データは1998年10月に編集製作されたものです。それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。また、本文中の図・表・イラストはご提供しておりません。

沙石集の関連キーワード宇治拾遺物語韓詩外伝古事談古本説話集妻鏡雑談説話集雑談集無住無住道暁

今日のキーワード

カルテット

四重唱および四重奏。重唱,重奏の形態のなかで最も基本的なもので,声楽ではルネサンスの多声歌曲の形式であるシャンソンやフロットラから始り長い歴史をもつ。器楽も同様で,特に弦楽四重奏は室内楽の全レパートリ...

続きを読む

コトバンク for iPhone

沙石集の関連情報