中国、中唐期の詩人。字(あざな)は浪仙。范陽(はんよう)(河北省)の人。初め僧となり無本と名のったが、のちに還俗(げんぞく)。長江(四川(しせん)省)主簿(しゅぼ)から普州(四川省)司倉参軍に転任し、843年(会昌3)に州の官舎で65歳の生涯を閉じた。「僧は推(お)す月下の門」の句が浮かんだものの、「推す」がいいか「敲(たた)く」がいいかと苦吟していて韓愈(かんゆ)の行列にぶつかり、「敲く」がよかろうと教えられたという「推敲(すいこう)」の故事は有名。五言律詩に長じ、「怪禽(かいきん)広野に啼(な)き、落日行人(こうじん)を恐れしむ」(「暮(くれ)に山村を過(よぎ)る」)といった荒涼とした詩句に特色がある。晩唐から五代にかけて多くの詩人が賈島の詩を学んだ。宋(そう)の蘇軾(そしょく)は、「郊寒島痩(そう)」(孟郊(もうこう)は寒々(さむざむ)とし、賈島は痩(や)せている)と評している。『賈浪仙長江集』10巻がある。
[丸山 茂]
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…性格は狷介(けんかい)であったが,当時の代表的文人官僚韓愈とは終生親交を結び,韓愈を中心とするグループに属した。苦吟型の詩人で,その詩風は賈島(かとう)と合わせて〈郊寒島瘦〉と評される。とくに五言古詩に長じた。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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