積雪の深さを測る物差し。適当な太さの角柱あるいは円柱を、鉛直に地面に立てる。柱は日射などを吸収して暖まらないよう白色とし、センチメートルで読み取るための目盛りをつける。高さは、これまでのその地点の最深積雪を参照して決める。風で雪が飛ばされたり吹きだまりになったりしない場所に設置する。柱の周りには雪面のくぼみができやすいので、測定の際には注意しなければならない。雪の少ない暖地では、地面や木製の板に積もった雪を普通の物差しで測ってもよい。同じ目的で、現在広く用いられているものに、超音波積雪深計、幾何光学積雪深計、光ファイバー式積雪深計などがある。超音波積雪深計は、ポールに設置された超音波積雪深計の送信部から40キロヘルツ(kHz)の超音波を雪面に向けて発射し、受信部は反射波の到達時間差から積雪深を求めるものである。幾何光学式積雪深計とは、投光器の光ビームで積雪を投射し、受光器が雪面上の光点を検出したときの投光器の角度から、三角測量方式で積雪深をもとめるもので、積雪深をアナログまたはデジタル記録するほか、電話回線等に接続することにより積雪深を遠隔伝送するものである。光ファイバー式積雪深計は、感光紙を装填(そうてん)する記録部と、光ファイバーを用いた感部によって構成されている。感部は等間隔に並んだ光ファイバーとこれを包むシリコンゴムからできていて、積雪のある状態では、雪面より上の光ファイバーの末端より昼間光が入射し、光ファイバーの中を光が伝わり、記録部の感光紙に感光記録するものである。
[篠原武次・渡邉清光]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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