雲井の曲(読み)クモイノキョク

デジタル大辞泉 「雲井の曲」の意味・読み・例文・類語

くもいのきょく〔くもゐのキヨク〕【雲井の曲】

箏曲そうきょく組歌の一。八橋検校作曲。慶安年間(1648~1652)成立曲名由来には、歌詞に「雲井に響く鳴神の」とあるからという説と、調弦雲井調子であるからという説とがある。

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精選版 日本国語大辞典 「雲井の曲」の意味・読み・例文・類語

くもいのきょくくもゐのキョク【雲井の曲】

  1. 箏曲の組歌の一つ。慶安(一六四八‐五二)頃八橋検校が作曲したと伝えられる。曲名は、最後の六首目の歌詞が「雲井に響く鳴神も…」で始まるところからとも、使用されている調弦が雲井調子であるところからともいう。「四季の曲」「扇の曲」とともに「八橋の三曲」の一つ。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「雲井の曲」の意味・わかりやすい解説

雲井の曲
くもいのきょく

箏曲の曲名。近世箏曲の始祖八橋検校作曲の箏組歌 13曲中,最も重視される奥組3曲 (ほかに『四季の曲』『扇の曲』) の一つ。『雲井のしらべ』ともいい,他の 12曲が「平調子」であるのに対して,この曲だけが「本雲井調子」の調弦。6歌から成り,第6歌の歌い出し「雲井に響く」から,この曲名と調弦名が生れたという。第5歌には,合奏させるか,そのあとにつけ加えられる「巾の調」といわれる特殊な手がある。 (→雲井調子 )

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世界大百科事典(旧版)内の雲井の曲の言及

【八橋検校】より

…盲官系譜以外の門下には,前記北島のほか,住(隅)山流の祖の住山検校(その門下に継山流の祖の継山検校がある),大坂八橋流の祖とされる城追座頭,沖縄箏曲への伝承の祖とされる吉部座頭などが考えられる。 八橋の作品は《菜蕗(ふき)》以下のいわゆる八橋十三組が有名であり,とくにそのうち,《四季の曲》《扇の曲》《雲井の曲》は奥の〈三曲〉として重んぜられる。ほかに付物の《雲井弄斎》,秘曲の《古流四季源氏》などもあり,また器楽曲の《すががき》《りんぜつ》を発展させて現行の《六段》《》を成立させたのも八橋と考えられている。…

※「雲井の曲」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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