雲居寺跡(読み)うんごじあと

日本歴史地名大系 「雲居寺跡」の解説

雲居寺跡
うんごじあと

[現在地名]東山区下河原町

拾芥抄」に「雲居寺 花園ノ向、祇園ノ南」と記される。花園はなぞのとは双林そうりん寺をさすので、当寺は京都市東山区下河原しもがわら町の高台こうだい寺辺りにあったと考えられる。「京都府地誌」に「今ノ高台寺ノ地ニアリ」、「坊目誌」も「伝て高台寺方丈の地、及其東西に亘る所と云ふ」とするが、「京羽二重織留」には「雲居寺此所(鷲峰山)にありと。一説に雲居寺は門前青塚の地なりと」と異説を紹介する。

〈京都・山城寺院神社大事典〉

〔草創〕

「続日本後紀」承和四年(八三七)二月二七日条に「従五位下菅野朝臣永岑言、亡父参議従三位真道朝臣、奉為 桓武天皇、所建立道場院一区、在山城国愛宕郡八坂、雖其疆界接八坂寺、而其形勢猶宜別院、由是、道俗号曰八坂東院、伏望、限以四至、別為一院、置僧一口、永俾護持、許之」とあり、菅野真道が桓武天皇の冥福を祈って八坂やさか郷の地に「道場院一区」を創建、八坂寺(法観寺)に接していたため、「八坂東院」とよばれたことが知れる。これが雲居寺の創始で初め天台宗、のちに浄土宗を兼ねる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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