朝日日本歴史人物事典 「雲居希膺」の解説
雲居希膺
生年:天正10(1582)
江戸前期の臨済宗の僧。土佐(高知県)生まれ。俗姓は小方。禅を志して上洛し大徳寺の賢谷宗良に就いて出家,次いで妙心寺蟠桃院の一宙東黙に参じた。蟠桃院に出家中の武将塙直之がいた縁で冬の陣の大坂城に入り捕らえられた。許されて妙心寺に戻り,一宙の法を嗣いだ。若狭(福井県)小浜,摂津(大阪府)勝尾山に隠棲し,後水尾上皇の帰依を受けた。伊達政宗の子忠宗のとき松島瑞巌寺に入り,念仏禅を唱え,教えを厳守した。正保2(1645)年,妙心寺に入ったが再び松島に帰って亡くなった。諡号は慈光不昧禅師,大悲円満国師(追号)。<著作>『般若心経大意』<参考文献>卍元師蛮『本朝高僧伝』45巻
(藤田正浩)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報