電気銅(読み)デンキドウ(英語表記)electrolytic copper

デジタル大辞泉 「電気銅」の意味・読み・例文・類語

でんき‐どう【電気銅】

電気精錬によって得られる高純度の銅。熱および電気伝導率、圧延性にすぐれ、電線材やはくなどに用いる。電解銅

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精選版 日本国語大辞典 「電気銅」の意味・読み・例文・類語

でんき‐どう【電気銅】

〘名〙 電解精錬によって得られる高純度の銅。熱および電気伝導率、圧延性にすぐれ電線材や、箔にしてプリント基板として使われる。〔電気工学ポケットブック(1928)〕

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「電気銅」の意味・わかりやすい解説

電気銅
でんきどう
electrolytic copper

電解銅,陰極銅ともいう。もともと電解で精製して陰極に析出した銅であるが,これは粗面でまた電解液成分を内包するので,反射炉,電気炉などで溶解し,60~135kg程度のインゴットとしたものも電気銅といっている。陰極銅の純度は 99.96%以上で,ヒ素アンチモン硫黄などの不純物を微量含む。溶解の際は酸化気圏としてこれら不純物を酸化除去するが,その代り酸素,水素を吸蔵する。それで松丸太を挿入して脱酸する (これをポーリングという) 。しかし過度に脱酸すると鋳面がへこむので,0.02~0.04%程度の酸素を残すようにして銅鋳型に鋳込む。これをタフピッチ銅という。 JIS規格には,陰極銅に相当する電気銅地金と展伸材用タフピッチ型銅がある。純度は 99.9%以上の程度で,また酸素を含むため水素脆性弱点をもつ。通常の用途にはこれでさしつかえないが,高級品原料には無酸素銅を使わなければならない。

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百科事典マイペディア 「電気銅」の意味・わかりやすい解説

電気銅【でんきどう】

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世界大百科事典(旧版)内の電気銅の言及

【銅】より

…陽極中のヒ素,アンチモン,ビスマスの一部と,他の不純物の大部分は不溶性の泥状(陽極スライム)となって電解槽の下にたまり,一部は陽極の表面を覆う。陰極に銅が析出してくるが,これは電気銅といわれ,99.99%以上で,鉛,ヒ素,アンチモン,ビスマスなどの不純物はいずれも0.0001%以下のものが得られる。これらの不純物は電解液中に溶け出し濃縮されるので,電解液は浄液工程に送られ,液処理からCuSO4・5H2O,NiSO4・H2Oなどが副産される。…

【銅合金】より


[純銅]
 工業的にも純銅と分類される実用材料には,タフピッチ銅,無酸素銅,リン脱酸銅,その他微量の添加元素を含むものがある。銅製錬の最終工程はふつう電解精製であって,電極板に電着したものを電気銅というが,これを直接加工することはなく,一度,融解し鋳造後加工される。純銅の性質に大きな影響を与えるものは酸素とその他の不純物であって,タフピッチ銅は溶解後,酸素を0.03%程度残すようにしたものである。…

※「電気銅」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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