青屋(読み)アオヤ

デジタル大辞泉 「青屋」の意味・読み・例文・類語

あお‐や〔あを‐〕【青屋】

中世近世藍染めを業とした家。賤民せんみん視され、京都町奉行に属し、牢屋監視掃除なども勤めた。

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精選版 日本国語大辞典 「青屋」の意味・読み・例文・類語

あお‐やあを‥【青屋】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 染色業者。藍染めを職業とする家。また、その人。
    1. [初出の実例]「こんのそめちん、あをやにて一文目二文つつの通にて」(出典:多聞院日記‐天正四年(1576)一二月一日)
  3. 中、近世、京都周辺における藍染め業者の称。賤民視され、京都町奉行所に所属して刑の執行、牢屋の掃除などを行なった。
    1. [初出の実例]「青屋、河原の者数百人」(出典:信長公記(1598)一二)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「青屋」の意味・わかりやすい解説

青屋
あおや

藍染め屋,紺掻 (こんかき) ともいい,中世以降より江戸時代中期まで関西地方ことに京都で差別視されていた藍染め業者をいう。京都町奉行は,初めのうち青屋に牢番死刑囚処理などの青屋役を課した。

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世界大百科事典(旧版)内の青屋の言及

【アイ(藍)】より

…都市ではこの藍を供給するための座が結成され,なかでも藍生産地として著名であった京都の九条一帯には,15世紀半ば以降,九条寝藍座があって藍の売買を独占し,ときには付近の東寺を乾場としたため,寺と相論をひきおこした。なおこの藍汁をもって染色する業者を,藍屋・藍染屋・青屋・紺屋(こうや)などといった。【川嶋 将生】
[近世]
 アイ(タデアイ)は江戸時代にはベニバナ・アサとともに〈三草〉の一つに数えられ,日本を代表する商品作物とされた。…

※「青屋」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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