最新 地学事典 「青海結晶片岩」の解説
おうみけっしょうへんがん
青海結晶片岩
Omi schist
飛驒外縁帯北東端(新潟県糸魚川市青海地域)に,北西─南東方向に約10kmの扇形の広がりをもつ蓮華帯の古生代後期の高圧型結晶片岩。坂野昇平と都城秋穂によって世界で初めて藍閃石を含む変成岩体が変成分帯された地域。最大数kmの結晶片岩体は蛇紋岩に取り囲まれ,岩体内部にも断層に沿って蛇紋岩が貫入。結晶片岩体に伴う蛇紋岩には古生代前期の変斑れい岩やひすい輝石岩,ロジン岩,曹長岩,花崗岩などの岩塊が含まれ,蛇紋岩メランジュをなす。結晶片岩は泥質〜砂質片岩が卓越し,緑泥石帯と黒雲母帯に変成分帯が可能。緑泥石帯には藍閃石を含む典型的な高圧変成岩が分布し,粗粒ざくろ石の出現する層が数km続き,2000年代初頭にエクロジャイトの産出が報告された。青色片岩とエクロジャイトが点在するユニットと,緑れん石角閃岩相〜角閃岩相変成岩を主としたユニットに大別される。前者の泥質片岩にはパラゴナイトがよく保存され,後者の泥質片岩にはアルカリ長石が特徴的で,高温部では灰曹長石も出現。
執筆者:辻森 樹
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

