青潮(読み)アオシオ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「青潮」の意味・わかりやすい解説

青潮
あおしお

陸から海へ強い風が吹くと表層水が沖へ運ばれ,酸素が極端に少なくなった底層水が,これを補う形で陸地付近にわきあがることにより引き起こされる現象海面が白濁した青または緑に変色し,魚介類を大量に酸欠死させる。東京湾における青潮は,1963年ごろより発生が報告されており,湾北東部で夏から初秋にかけて頻発し大きな社会問題となっている。発生機構は,定性的にはかなり明らかであるが,定量的にはほとんど解明されていない。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の青潮の言及

【赤潮】より

…その色は赤潮を構成するプランクトンの種(しゆ)に固有の色素や生理状態によって赤褐色,褐色,緑色,黄緑色,青緑色などさまざまである。海域ではふつう赤潮と呼ばれるが,厄水(やくみず),青潮(あおしお),白潮(しろしお),苦潮(にがしお)などと呼ばれる場合もある。湖沼では水の華と呼ばれている。…

【大発生】より

… 魚の大発生は豊漁と呼ばれることもあり,その結果,時には大量死亡も起こりうる。赤潮は,海や湖,沼や池などの水域に植物または動物プランクトンが大発生した場合の総称で,水の華とか,色によっては青潮またはアオコとも呼ばれる。この現象は,その水域の富栄養化によって起こり,ひどい場合には魚や貝の大量死亡をまねくこともある。…

※「青潮」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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