青蓮寺跡(読み)しようれんじあと

日本歴史地名大系 「青蓮寺跡」の解説

青蓮寺跡
しようれんじあと

密教系の寺院備中備前の国境付近、現在宗教法人福田海ふくでんかいの本部がある地域は、かつての備中有木ありき別所の古地である。治承元年(一一七七)鹿ヶ谷の謀反で捕らえられた権大納言藤原成親は、やがてこの有木の別所の山寺に流された。「源平盛衰記」巻七は「大納言の御座する有木の別所高麗寺と申すは、備前に取りても備中の境」と記し、当時、この別所に高麗寺が存在したことがわかる。近年、高麗寺の遺跡と思われる山門礎石や古瓦が発見され、この付近は県指定史跡となっているが、青蓮寺はこの高麗寺の寺中寺院の一つかと思われる。応永八年(一四〇一)「吉備津宮法楽一万句連歌発句」(吉備津神社蔵)の勧化の会衆第七に「青蓮寺法印承秀 十二人」とみえるのをはじめ、寺名が吉備津神社の中世文書に散見する。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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