ふげん
日本独自の新型転換炉というタイプの原発の原型炉で出力は16万5千キロワット。福井県敦賀市にあり1979年に本格運転を開始した。濃縮度の低いウラン燃料など多様な燃料が使えるのが特徴だが、経済性などを理由に次の段階の新型転換炉開発が中止となり、2003年に運転を終了した。33年度の廃炉作業完了を目指している。使用済み核燃料は、茨城県にある日本原子力研究開発機構の施設で再処理されたが、同施設は廃止が決まり、ふげんに466体、茨城県の施設に265体が保管されている。
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出典 共同通信社 共同通信ニュース用語解説共同通信ニュース用語解説について 情報
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ふげん
動力炉・核燃料開発事業団 (動燃) が福井県敦賀市に 1970年に着工し,1978年3月 20日に臨界に達した新型転換炉の原型炉 (電気出力 16.5万 kW) 。高速増殖炉の原型炉「もんじゅ」とともに,釈迦仏の二脇侍である普賢菩薩,文殊菩薩にちなんで,1970年に命名された。なるべく濃縮ウランを使わない新しいタイプの動力炉を自主開発するねらいから設計されたもので,燃料は微濃縮 (1.5%) 二酸化ウランか,あるいは天然ウランに 0.5%プルトニウムを混ぜた混合酸化物で,重水減速・沸騰軽水冷却型の原子炉である。 1979年から運転を開始したが,これに続く実証炉の建設は 1995年の原子力委員会の決定で中止。 1998年 10月に動燃が「核燃料サイクル開発機構」に改組された際に,「ふげん」も新法人に移管されたが,2003年運転を中止,廃止措置へ向けて準備が進んでいる。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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世界大百科事典(旧版)内のふげんの言及
【動力炉・核燃料開発事業団】より
…動燃と略称。新型炉開発では,ウランの有効利用を図れる新型転換炉と高速増殖炉の自主開発を進めており,前者では電気出力16.5万kWの原型炉〈ふげん〉を運転中で,後者については実験炉〈常陽〉を経て電気出力28万kWの原型炉〈もんじゅ〉を建設した。また,大型研究施設を茨城県大洗町に有す。…
※「ふげん」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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