共同通信ニュース用語解説 「青酸化合物」の解説
青酸化合物
シアン化物イオンを含む化学物質の総称。毒劇物法で指定された青酸カリや青酸ソーダが代表的で、金属めっきや分析試薬に使われ、強い毒性がある。摂取した直後から目まいや頭痛、吐き気など全身に中毒症状が現れ、短時間で死亡することもある。業務や研究で取り扱うには許可や登録が必要なため、一般人が入手するのは難しい。
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シアン化物イオンを含む化学物質の総称。毒劇物法で指定された青酸カリや青酸ソーダが代表的で、金属めっきや分析試薬に使われ、強い毒性がある。摂取した直後から目まいや頭痛、吐き気など全身に中毒症状が現れ、短時間で死亡することもある。業務や研究で取り扱うには許可や登録が必要なため、一般人が入手するのは難しい。
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シアン化合物ともよばれるきわめて強い毒性を示す化合物。青酸とはシアンcyanのことであり、ギリシア語で青いという意味のcyanoということばに由来する。
代表的なものに、青酸カリと俗称されるシアン化カリウム(青酸カリウム、KCN)や、青酸ソーダと俗称されるシアン化ナトリウム(青酸ナトリウム、NaCN)などがある。金属の精錬(冶金(やきん))やめっき、果樹の害虫駆除薬などとして用いられ、またシアン化水素(青酸ガス、HCN)が船舶や輸入食品の燻蒸(くんじょう)剤として、シアン化ヨウ素(ヨウ化シアン、ICN)が昆虫標本の保存剤などに使用される。また臭化シアン(BrCN)は強い催涙性を示す。
これらが一定量体内に取り込まれると、胃液の酸に反応してHCNが発生し、高濃度の摂取ではその強い毒性によって嘔吐(おうと)、頭痛、めまいなどの急性の中毒症状を引き起こす。重症化すると呼吸麻痺(まひ)から昏睡(こんすい)に陥り、数分から数時間の間に死に至ることもある。
自然界では青梅、杏仁(きょうにん)(アンズの種)、ビワ、カシューナッツなどの果実や種子にアミグダリンなどのシアン(青酸)配糖体が含まれている。これらが酵素により分解されてHCNが生成されるため、大量摂取すると重篤な中毒症状をおこすことがある。
これら青酸化合物は、毒物及び劇物取締法によって毒物として指定され、その製造法や含有量および使用法について規制が設けられている。
[編集部 2016年9月16日]
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