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靖国参拝 やすくにさんぱい

知恵蔵の解説

靖国参拝

小泉首相は、2006年8月15日に靖国参拝を強行し、これは「心の問題」であるとして、外国からの抗議を一切受け付けない姿勢を明らかにした。こうしたかたくなな態度は、中国、韓国のみならず、米国からも反発を招いた。06年6月、小泉首相の訪米の際に、議会での演説の可能性が模索されていた。しかし、米国議会の有力議員は、A級戦犯を祀(まつ)る靖国神社に参拝することは、アメリカの戦争犠牲者を冒涜(ぼうとく)する行為だとして、小泉首相の議会演説に反対した。米国を含む外国から見ると、首相が靖国神社に参拝することは、日本による侵略戦争を正当化するメッセージに映るのである。また、7月には元宮内庁長官が残した昭和天皇の談話メモが公開され大きな反響を呼んだ。その中で昭和天皇は、靖国神社がA級戦犯を合祀したことに強い不満を表明し、それ以来参拝していないと述べていたとされる。これにより、靖国参拝は一層大きな政治争点となった。ポスト小泉の総裁候補者は、靖国について国論が二分されることは好ましくないとして、いずれも8月15日の参拝について慎重な態度を示している。アジアとの関係を悪化させずに、戦没者を追悼する環境を整備するための方策として、A級戦犯の分祀、無宗教の墓苑の建設などの提案が行われているが、いずれも具体的な動きには至っていない。

(山口二郎 北海道大学教授 / 2007年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について | 情報

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