音無し(読み)オトナシ

デジタル大辞泉 「音無し」の意味・読み・例文・類語

おと‐なし【音無し】

音がしないこと。静かなこと。
[類語]ひっそりしんとしいんとひそやか無音微音しめやか静まり返る水を打ったよう

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「音無し」の意味・読み・例文・類語

おと【音】 無(な)

  1. 音がしない。静かである。
    1. [初出の実例]「おぼつかなおとなき滝の水なれやゆくへもしらぬ瀬をぞたづぬる」(出典:蜻蛉日記(974頃)上)
  2. 人にことわりを言わない。消息がない。音沙汰がない。
    1. [初出の実例]「それより後も、をとなし」(出典:蜻蛉日記(974頃)中)
    2. 「父おとどの御供に、熊野へ参ると聞きしを、帰りてもしばしをとなければ」(出典:建礼門院右京大夫集(13C前))
  3. 秘密などを人に知られないようにだまっている。隠して、言わない。
    1. [初出の実例]「年経にけることを、をとなく、けしきももらさで過ぐし給うけるなり」(出典:源氏物語(1001‐14頃)夕霧)
  4. 世間に評判されない。世評にのぼらない。
    1. [初出の実例]「をとなく、いづかたにも人のそしり恨みなかるべくをもてなし給へ」(出典:源氏物語(1001‐14頃)真木柱)

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