順明寺(読み)じゆんみようじ

日本歴史地名大系 「順明寺」の解説

順明寺
じゆんみようじ

[現在地名]橿原市今井町四丁目

称念しようねん寺の北方に所在する。天灯山と号し、浄土真宗本願寺派。本尊阿弥陀如来。寺伝によると、開基照意房順明は俗称を多田八郎仲貞といい、多田源氏満仲の子頼光の四世の孫仲兼の孫である。仲兼は木曾義仲との合戦により無常を感じ、平野木工と改称して大和十市とおいち新賀しんが荘に移り住んだ。仲兼の息女と源義経との間の子が仲貞であり、建保五年(一二一七)仲貞は館を開いて寺とし、順明寺と名付けたという。三世義照は本願寺覚如に帰依して九字名号を受け、浄土真宗となった。さらに七世光西は仏光ぶつこう(現京都市下京区)一二世性善の弟子であったが、仏光寺一四世を継いだ経豪が本願寺蓮如に帰依し興正寺を名乗ったため、それに従い本願寺に転じ、以来興正こうしよう(現京都市下京区)の下寺としての位置にあったとするが、覚如に従ったのが仏光寺に転じる契機かどうかは定かではなく疑問が残る。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android