朝日日本歴史人物事典 「颯田本真」の解説
颯田本真
生年:弘化2.11.28(1845.12.26)
明治大正時代の浄土宗の尼。三河幡豆郡吉田町(愛知県吉良町)に生まれる。颯田清左衛門の長女。幼名りつ。安政3(1856)年,12歳にして三河碧南郡旭村(碧南市)貞照院の高橋天然のもとで得度する。文久2(1862)年,慈教庵(のちの徳雲寺)を創建し住職となる。明治23(1890)年に三河を襲った津波を機に難民救済に生涯を捧げる決意をし,翌年の美濃震災から大正13(1924)年の藤沢町震災救済まで34年間に全国23県150カ所あまりを歩き施物,勧化を募った。生涯を通じて念仏の弘通に専念し,慈善事業に尽力した。<参考文献>藤吉慈海『颯田本真尼の生涯』
(岡村喜史)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報