馬頭院(読み)ばとういん

日本歴史地名大系 「馬頭院」の解説

馬頭院
ばとういん

[現在地名]馬頭町馬頭

馬頭の北部にあり、武茂山十輪寺と号し、真言宗智山派。本尊馬頭観音。寺伝によれば建保五年(一二一七)勧修寺座主藤原光宝が武茂むも庄内に地蔵堂を建立、地蔵院十輪じゆうりん寺と号したのが草創という。正和年中(一三一二―一七)には武茂大守好綱が現在地のそばに一宇を建立、馬頭観音を安置し、のち同観音を本尊として武茂庄鎮守となったという(旧県史)。なお「下野国誌」は武茂氏の祖泰宗による永仁(一二九三―九九)開基とする。歴代水戸藩主徳川氏の崇敬も厚く、徳川光圀は元禄五年(一六九二)に当地を訪れた際、本尊馬頭観音にちなんで馬頭院と改称、脇寺の金剛院を地蔵院と改称するよう命じ、村名も武茂から馬頭村と改めたという(「久左衛門旧記」大金重徳文書)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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