駐蔵大臣(読み)ちゅうぞうだいじん(その他表記)Zhù Zàng dà chén

改訂新版 世界大百科事典 「駐蔵大臣」の意味・わかりやすい解説

駐蔵大臣 (ちゅうぞうだいじん)
Zhù Zàng dà chén

中国,清朝からチベットラサに派遣されてチベット地方政府の政務を監理した大臣駐蔵辦事大臣の略。定員2名。任期3年。その創設は1727年(雍正5)。駐蔵大臣は設置当初はチベット地方政府の補佐役にすぎなかったが,93年(乾隆58)よりその職権が強化され,チベット地方に関する重大政務は駐蔵大臣の監理下に置いて,ダライ・ラマらの専断を許さなくした。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「駐蔵大臣」の意味・わかりやすい解説

駐蔵大臣
ちゅうぞうだいじん
zhu-cang da-chen; chu-tsang ta-ch`ên

中国,清時代チベットに派遣され政治を監督した大臣で,駐蔵弁事大臣と 帮弁大臣の2人を含む。清朝は雍正5 (1727) 年のチベットの内乱平定よりのち,チベットを保護国的立場においたが,その内政ダライ・ラマを中心とする自治的な要素が強かった。しかし外交権,貿易権,皇帝特命で軍事権はラサに駐在した2人の駐蔵大臣の手にあり,その他の内政も彼らによって監督され,清朝はチベットの宗主国としての立場を貫いた。なお,大臣は皇帝直属であったが,その事務は理藩院に属した。

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「駐蔵大臣」の解説

駐蔵大臣(ちゅうぞうだいじん)

清朝時代にラサに駐在した清朝官僚の代表。18世紀初頭,清朝は青海ホシュート部を倒し,チベットへの支配権を得て,軍隊と駐蔵大臣を派遣した。ついで18世紀半ばに統治体制を変更し,4人のチベット大臣による行政を駐蔵大臣に監督させることで,ダライラマ政権による高度自治を許したが,しだいに駐蔵大臣の力は強化されていった。

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