騏驎も老いては駑馬に劣る(読み)きりんもおいてはどばにおとる

故事成語を知る辞典 の解説

騏驎も老いては駑馬に劣る

すぐれた人物も年老いては、その働きや能力が普通の人にも及ばなくなることのたとえ。

[使用例] 麒麟も老ゆれば、駑馬というではないか、そのむかしの豪雄とて何ほどのことがあるものか[吉川英治三国志|1939~43]

[由来] 「戦国策―斉」に見える、紀元前四世紀、中国の戦国時代弁論家しんのことば。斉という国の王に向かって、「りんの衰うるや駑馬これに先だつ(どんな名馬も年をとると、そのへんのつまらない馬の方が速く走るようになる)」と述べて、対外的に積極的な政策を取らないよう、戒めています。「騏驎」とは、一日に一〇〇〇里を走るという名馬。ただし、しばしば、理想的な世の中が実現すると現れるという「麒麟」と同じように使われます。

〔異形〕騏驎の衰うるや駑馬之に先だつ。

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ことわざを知る辞典 の解説

騏驎も老いては駑馬に劣る

どんな名馬も年をとると、そのへんのつまらない馬にも負けるようになる。すぐれた人物も年老いては、働きや能力が普通の人にも及ばなくなることのたとえ。

[使用例] けだし人が老いてますます壮んなのはむしろ例外で、ある齢を過ぎれば漸次に心身ともに衰えていくのみである。〈略〉いかなる強弩もその末魯縞を穿ち得ず、壮時の麒麟も、老いては大抵驢馬となってしまう[幸徳秋水死刑の前|1911]

[解説] 「戦国策―斉策・閔王」にあることばから。

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