日本大百科全書(ニッポニカ) 「高富藩」の意味・わかりやすい解説
高富藩
たかとみはん
江戸中期以後、美濃(みの)国山県(やまがた)郡高富(岐阜県山県市)に置かれた譜代(ふだい)藩。領有する1万石のうち、7000石は美濃国、3000石は下野(しもつけ)国(栃木県)にあった。1705年(宝永2)藩主本庄道章(ほんじょうみちあきら)が美濃国に6000石を加増されて1万石となり、各務(かかみ)郡岩滝(いわたき)に陣屋を構えたが、09年高富に移し、高富藩として成立。道章以降、9代を数える。安政(あんせい)年間(1854~60)に倹約を中心とした藩政改革を行ったが、藩財政の窮乏は好転しなかった。1871年(明治4)廃藩となり、高富県を経て岐阜県となる。
[渡辺和敏]