高度プロフェッショナル制度(読み)コウドプロフェッショナルセイド

デジタル大辞泉 の解説

こうどプロフェッショナル‐せいど〔カウド‐〕【高度プロフェッショナル制度】

高度な職業能力を有し、一定年収要件を満たす、職務の範囲が明確な労働者を、時間外・休日労働協定の締結や時間外・休日・深夜割増賃金の支払義務等の適用除外とする制度欧米ホワイトカラーエグゼンプションを日本に導入したもので、時間ではなく成果に応じて賃金が支払われる働き方が可能になる。金融商品の開発・ディーリング、アナリストコンサルタント、研究開発業務などが対象。高プロ。特定高度専門業務・成果型労働制。残業代ゼロ制度。脱時間給制度

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共同通信ニュース用語解説 の解説

高度プロフェッショナル制度(高プロ)

2019年に施行された働き方改革関連法に盛り込まれた。年収1075万円以上で、金融ディーラーや経営コンサルタントなどとして働く労働者が対象。適用者は最長で1日8時間などと定められた労働時間規制から除外される。時間外や深夜といった割増賃金は支払われず、長時間労働につながるとの懸念根強い。導入に当たっては労使委員会決議本人合意が必要。企業は在社時間と社外で働いた時間を合計した「健康管理時間」の把握や、健康確保措置の実施などが求められる。6カ月ごとに運用状況を労働基準監督署に定期報告することも義務付けられている。

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知恵蔵 の解説

高度プロフェッショナル制度

一定の年収がある一部専門職を労働時間の規制対象から外し、働いた時間ではなく、成果で労働の価値を評価し、賃金を支払う仕組み。労働者は、使用者から自由な時間で働くことを認められる代わりに、残業や休日・深夜労働をしても、割増賃金が支払われなくなる。略して「高プロ」ともいう。
財界の要望を受け、安倍晋三首相が第1次政権時代(2006~07年)から導入を目指している。当時は「ホワイトカラー・エグゼンプション」という名称だったが、「働きすぎを助長するのではないか」などの批判を受けて法案提出が見送られた。第2次安倍政権時代の2015年には、政権が高プロの新設を盛り込んだ労働基準法改正案を国会に提出したが、野党の猛反対に遭い、審議入りできなかった。そして2018年4月6日、政府は高プロを柱とした働き方改革関連法案を国会に提出したが、野党や過労死遺族から「スーパー裁量労働制だ」などと批判されている。
制度の対象となる労働者は、残業代を除く「年収1075万円以上」、高度な専門的知識が必要とされる証券アナリストや研究開発職、コンサルタントなどが想定されている。制度の適用には、本人の同意や、労働者と使用者とで構成される労使委員会の決議が必要となる。また、今回提出された法案では、企業に対し、制度の適用者に「年間104日」「4週4日」以上の休日を確保するなどの健康確保措置を義務付けている。
法案が成立した場合の高プロの施行予定は19年4月で、最終的な年収要件や対象職種は、法案成立後、国の労働政策審議会での議論を経て、厚生労働省の省令で定められる。

(南 文枝 ライター/2018年)

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日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

高度プロフェッショナル制度
こうどぷろふぇっしょなるせいど

労働基準法

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