高度プロフェッショナル制度

朝日新聞掲載「キーワード」の解説

高度プロフェッショナル制度

専門職で年収の高い人を労働時間の規制の対象から外す新たな仕組み。年収1075万円以上のアナリストなどの専門職が対象。労働基準法は法定労働時間を超えて働かせる場合、割増賃金の支払いを義務づけているが、対象となる働き手は残業や深夜・休日労働をしても割増賃金が一切支払われなくなる。

(2017-07-12 朝日新聞 朝刊 1総合)

高度プロフェッショナル制度

高度な専門知識を持ち、一定の年収がある働き手を労働時間規制から外す制度。略して「高プロ」と呼ばれる。労働時間と賃金の関係が切れた制度で、対象者は残業や深夜・休日労働をしても割増賃金が払われなくなるため、野党は「残業代ゼロ法案」と批判している。第1次安倍政権が2007年に導入を目指したホワイトカラー・エグゼンプションも同様の制度。

(2018-03-12 朝日新聞 朝刊 生活2)

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知恵蔵の解説

高度プロフェッショナル制度

一定の年収がある一部専門職を労働時間の規制対象から外し、働いた時間ではなく、成果で労働の価値を評価し、賃金を支払う仕組み。労働者は、使用者から自由な時間で働くことを認められる代わりに、残業や休日・深夜労働をしても、割増賃金が支払われなくなる。略して「高プロ」ともいう。
財界の要望を受け、安倍晋三首相が第1次政権時代(2006~07年)から導入を目指している。当時は「ホワイトカラー・エグゼンプション」という名称だったが、「働きすぎを助長するのではないか」などの批判を受けて法案提出が見送られた。第2次安倍政権時代の2015年には、政権が高プロの新設を盛り込んだ労働基準法改正案を国会に提出したが、野党の猛反対に遭い、審議入りできなかった。そして2018年4月6日、政府は高プロを柱とした働き方改革関連法案を国会に提出したが、野党や過労死遺族から「スーパー裁量労働制だ」などと批判されている。
制度の対象となる労働者は、残業代を除く「年収1075万円以上」、高度な専門的知識が必要とされる証券アナリストや研究開発職、コンサルタントなどが想定されている。制度の適用には、本人の同意や、労働者と使用者とで構成される労使委員会の決議が必要となる。また、今回提出された法案では、企業に対し、制度の適用者に「年間104日」「4週4日」以上の休日を確保するなどの健康確保措置を義務付けている。
法案が成立した場合の高プロの施行予定は19年4月で、最終的な年収要件や対象職種は、法案成立後、国の労働政策審議会での議論を経て、厚生労働省の省令で定められる。

(南 文枝 ライター/2018年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

デジタル大辞泉の解説

こうどプロフェッショナル‐せいど〔カウド‐〕【高度プロフェッショナル制度】

高度な職業能力を有し、一定の年収要件を満たす、職務の範囲が明確な労働者を、時間外・休日労働協定の締結や時間外・休日・深夜の割増賃金の支払義務等の適用除外とする制度。欧米のホワイトカラーエグゼンプションを日本に導入したもので、時間ではなく成果に応じて賃金が支払われる働き方が可能になる。金融商品の開発・ディーリング、アナリスト、コンサルタント、研究開発業務などが対象。高プロ。特定高度専門業務・成果型労働制。残業代ゼロ制度脱時間給制度

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