高度大衆消費時代(読み)こうどたいしゅうしょうひじだい(英語表記)the age of high mass-consumption

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「高度大衆消費時代」の意味・わかりやすい解説

高度大衆消費時代
こうどたいしゅうしょうひじだい
the age of high mass-consumption

大衆的な規模で耐久消費財とサービスが普及する時期。1960年,アメリカ合衆国の経済学者ウォルト・ホイットマン・ロストウ著書『経済成長の諸段階―― 一つの非共産主義宣言』The Stages of Economic Growth: A Non-Communist Manifestoにおいて提唱した,すべての社会は経済体制の違いをこえて同一の発展段階をたどるとする経済成長の 5段階区分の最後の段階(→経済発展段階説)。国民所得国民可処分所得)の水準が上昇すると,大衆社会関心供給から需要へ,生産から消費へと移り,経済の発展が耐久消費財の需要動向に左右されるようになる。日本は 1950~60年代の神武景気岩戸景気において,白黒テレビ・電気洗濯機・電気冷蔵庫の三つの耐久消費財(いわゆる「三種の神器」)を中心とする家電ブームが起こった時期に,この段階に入ったとされる。さらに 1965~70年代にかけて迎えたいざなぎ景気ではカラーテレビ・乗用車・クーラー(いわゆる「3C」)が消費を加速させた(→高度成長)。

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