高波保(読み)たかなみほ

日本歴史地名大系 「高波保」の解説

高波保
たかなみほ

東山丘陵を中心にして、刈谷田かりやだ川上流の盆地である現栃尾市のほぼ全域と、現見附市南部・長岡市東部の沖積平野からなる。刈谷田川水源に近い栃尾市栃堀とちぼりに字高波沢たかなみさわがあり、刈谷田川は古く高波川とよばれたと伝え、保名はそれに由来するものであろう。

文明一九年(一四八七)頃に作成された長尾・飯沼氏等知行検地帳(上杉家文書)は「長尾弾正左衛門尉方分下条高波保」として「一、文明十五拾月四日本田千六百苅 名木野 被官玉虫新左衛門尉給分」とみえるように、保内地名が四〇余も記され、数十人の被官の給分として書出されている。地名のなかに上条栖吉すよし・上条乙吉おとよし(現長岡市)中条田井たい・下条名木野なぎの(現見附市)があるので、東山丘陵北西麓の沖積平野部が南から上条・中条・下条に分けられていたことがわかる。一方栃尾盆地では、刈谷田川上流の栃堀・赤谷あかたになど東谷ひがしだにの村、半沢兼(現半蔵金)田口たのくち(現田之口)など西谷にしだに川流域の西谷の村、樫出かしいでしお(現上塩・下塩)など塩谷しおたに川流域の塩谷の村、金沢かなざわ楡原にればらなど刈谷田川下流の川谷かわたにの村が記される。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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