鯛車（読み）タイグルマ

デジタル大辞泉

たい‐ぐるま〔たひ‐〕【^×鯛車】

郷土玩具の一。張り子または木製の鯛に車をつけて引き回すようにしたもの。鹿児島県霧島市・新潟県三条市・埼玉県鴻巣こうのす市などのものが知られる。

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

たい‐ぐるまたひ‥【鯛車】

1. 〘 名詞 〙 小児のおもちゃ。はりこの鯛に車をつけて、引くようにしたもの。

出典　精選版 日本国語大辞典

日本大百科全書(ニッポニカ)

鯛車
たいぐるま

鯛の形につくった玩具(がんぐ)に車をつけたもの。幼児が転がして遊び、古くから祝い物などにも用いられた。鯛の赤い色は、幼児の悪病を退散させる強い力があるという俗信から、疱瘡除(ほうそうよ)けのマスコットにされてきた。張り子、木、紙製の各種がある。郷土玩具として各地にみられ、埼玉県鴻巣(こうのす)市の鯛車、新潟県三条市の鯛灯籠(どうろう)、滋賀県草津市のぴんぴん鯛、鹿児島県霧島(きりしま)市隼人(はやと)町鹿児島神宮（国分八幡(こくぶはちまん)）の鯛車などがある。

［斎藤良輔］

[参照項目] | 郷土玩具

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デジタル大辞泉プラス

鯛車

新潟県の郷土玩具。三条市、新潟市などに伝わる。タケの骨組みに和紙を張ってつくった鯛の形の灯籠を、車輪のついた木の台車に載せたものを紐で引く。かつては盆の墓参りに子供が鯛車を引いていく習慣があった。江戸末期から伝わるものとされ、昭和の後期に一時期消滅しかけたが、2000年代になり市民有志により復活。復興活動を進める市民団体「鯛車復活プロジェクト」は2011年に第4回ティファニー財団賞伝統文化振興賞を受賞。

出典　小学館