鳥海村(読み)とりのみむら

日本歴史地名大系 「鳥海村」の解説

鳥海村
とりのみむら

[現在地名]大東町鳥海とりうみ

築館つきだて村の北にあり、西・北・東の三方蓬莱ほうらい山、阿原あばら山、天狗岩てんぐいわ(七七四・七メートル)などの山々に囲まれた細長い村。中央を鳥海とりうみ川が南へ流れ、落合おちあい付近で興田おきた川に合流する。村名は地元ではとりうみ・とんのみなどともよばれる。寛永一九年(一六四二)の鳥海村検地帳(県立図書館蔵)によれば、田三八町九反余・代四四貫九三七文、畑六五町六反余・代三〇貫三一文、茶畑六畝余・代一八四文、名請人数七二。正保郷帳では田四二貫五五七文・畑二五貫八六二文、ほかに新田六貫七五五文があり、雑木山と注記される。「封内風土記」では家数約一七三、小名として市通いちのかよう物沢もつさわ丑石うしいしをあげる。安永七年(一七七八)の人頭一九四、男六六九(老男七八・長男三八三・童男一九二・出家七・山伏八・座頭一)、女六一〇(うち老女七二・長女三三二・童女一九六で合計は合わない)、鉄砲持一二人がいた(「人数書上」大東町史)


鳥海村
ちようかいむら

面積:三二二・五四平方キロ

由利郡最南部に位置し、北から西にかけて矢島町、東は雄勝おがち郡羽後町・雄勝町があり、南には山形県最上もがみ真室川まむろがわ町、同県飽海あくみ八幡やわた町が隣接する。

鳥海山(二二三〇メートル)ひのと(一一四六メートル)およびそれに連なる山々が村の南部に広がり、これら山地の水を集めて多くの河川が、南から北に向かって流れる。こしき川は甑岳に発し、丁川は丁岳を源とし、下笹子しもじねご落合おちあいの地内で合流、笹子じねご川となる。また、朝日あさひ森に発する直根ひたね川は、鳥海山麓の水を広く集めて北に向かう鳥海川に猿倉さるくら大川端おおかわばた地内で合流。笹子・鳥海両川は蛇行を重ねながら北流を続け、栗沢くりさわ牛越うしこしの地内で合し、子吉こよし(矢島川)となり、矢島町へと流れる。


鳥海村
とのみむら

[現在地名]山内町大字鳥海

現山内町北東部の低丘陵上にある。慶長絵図に「鳥海」とある。

この地域は平安時代は長島ながしま庄に所属、蓮華王れんげおう院領。鎌倉時代には長島庄惣地頭橘薩摩氏の領有となった。室町時代、塚崎つかざき庄成立と同時にその荘域に加えられ、塚崎後藤氏の所領となる。戦国動乱期には塚崎後藤氏の家老となった元大川野城主鶴田勝の知行地

江戸時代には佐賀藩武雄領で、鶴田氏の知行地。武雄領山内一六ヵ村の一村で、山内代官の支配下にあった。

なお村内の平山家墓地に「洋式砲術士の墓」とよばれる平山醇左衛門の墓がある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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